ナマステ。
前回の続きから。
火曜日、水曜日と夜中に康平がすごく吐いたので、
木曜日に再度病院に行きました。
そして、病院後ブログを書き終える前に康平に病院から処方された薬(シロップ)を飲ませると、飲んですぐにまた嘔吐。
もう、おっぱい以外を口にできなくなっていて、
水を飲んでも嘔吐してしまう為、薬を飲ませることもできず、
康平が見る見る衰弱した為、木曜日の午後再度病院へ。
もうこうなると点滴で薬を入れるしか手はなく、入院しました。
最初は大部屋だったけど、うるさいし、明るいから個室にしてもらい、
3人で病院に泊まりました。
水曜、木曜と風邪と言われていたけど、
血液検査の結果
『 ウイルス性の感染症 』
と診断されました。
ケイコもウイルス性の感染症ですが、
インドでは何のウイルスかを特定することはせず、
ケイコの時も康平も
『 何のウイルスかわからないけど、インドのワイルドなウイルス 』
というかなりアバウトな診断です。
日付が変わり午前2:30。
僕は一度家に帰り練習へ。
みんなそうだと思うけど、アーサナの練習に私情は持ち込みたくないですよね。
生きているから様々なことが日常で起こるけど、
そういう外側の出来事は一旦横に置いて、
日常生活では入り込むことができない内側の世界、
自分自身を見つめる為に日々練習をしているのですが、
どうしても金曜日の練習は康平のことを何度も思いました。
僕はアーサナの練習で日々自分自身を見つめる練習は
生きていく上でとても重要なことだと確信しています。
例えば地震や災害、または今回の僕のケースの様な家族のこと。(今回は軽いけど)
今後の残りの人生で、味わいたくないけど確実に経験する困難を迎えた時に
自分が自分でいる為に、日々自分がどういう人間なのかを知っておきたいし、
外側で何が起きても内側は安定していられるようになりたいと思っています。
だから、心配事や嫌なこと、もちろん嬉しいことや楽しいことも
練習には持ち込みたくないのですが、
点滴の針を刺され叫び、嘔吐し、泣きじゃくる康平がかわいそうで、
ケイコももう1ヶ月半も体調が悪いので、
康平も長引いたらかわいそうだなぁ。
と、いくら骨盤底筋を閉め、呼吸音を出しても
吐ききること、吸いきることを気にしても
思考がもって行かれました。
そして、あっという間にカポーターサナ。
できるだけ全身を満遍なく伸ばすことを意識し、
何度も呼吸を繰り返しながら降りていると
『 キャッチ! キャッチ! 』
と近くも遠くもない位置からシャラジの声が聞こえました。
『 これはオレに言ってるぞ! 』と気づき、
カカトの横まで歩き、そこからカカトまで登れずにもがいていると、
サクっとアジャストされました。
今回アシスタントの機会を頂き、気づいたのは
シャラジは生徒のレベルに関係なく、
チャレンジしている生徒をかなり応援していること。
そして、そのチャレンジに成功すると、とても嬉しそうにしていること。
僕はこの3週間でそんなシャラジの表情を何度も見ました。
だからこそ、僕のカポーターサナでその表情にさせたかったのですが、
それはもう少し持ち越しになりました。
さすがにこの時は何も考えることはできず、
掴めなかったけど、やりきった思いでいると、
なぜか僕は立ち上がりドロップバックをしていました。
本来ウールドゥヴァダヌラーサナ(ブリッジ)を3回するのですが、
なんと忘れていたのです。
アシュタンガヨーガを始めてから初めての出来事です。
ドロップバック、そしてカムアップで起き上がった時に
『 あれ? 飛ばしてしまった。』
と気づき我に帰ると、また康平を思い出しました。
『 まぁ、こんな日もあるし、これも練習だよな。』
と言い聞かせ、残りをこなすと、
いつもより着地点がかなり近く、
その後ブレッドがアジャストにきてくれて練習が終わりました。
シャワーを浴びて病院へ戻ると
康平は起きたところだったけど、元気がなくて、ぼーっとしていました。
もう少し入院が長引くつもりでいようとケイコと話し、
またシャラに戻りアシスタント。
いつも気にかけていた男性が休みでした。
男性は生理がないから休む理由は病気のみ。
『 食あたりかな? 』
なんて勝手に人の休みを食あたりと決めつけながら、
みんなの練習を見ていると、
できないことができるようになっている人もいれば、
できたことができないようになっている人もいます。
少なくても1ヶ月、または2ヶ月間スペシャルな練習をするので
人生最高の練習を味わう日もあれば、
病気になったり、痛みを味わったり、
ホームシックになったり、母国で大きなニュースがあったりするので、
集中できる日もあれば、
マインドを揺さぶられる出来事も多々あります。
世界中から様々な人々が来るけど、
みんな人間なので山あり谷ありの人生。
今日が山の人も、谷の人も、平地の人もいますよね。
でも山でも谷でも平地でも結局できることと言えば、
今この瞬間に自分に与えられている役割を全うすることだけです。
ここでの僕にとってそれは、
自分の練習であり、アシスタントです。
アシスタント中の方が
『 シャラジの生徒さんをアジャストさせてもらう責任 』
を感じているので、自分の練習よりも集中できたように思いました。
11時にアシスタントを終え病院に行くと、
朝とは大違いの笑顔の康平がいました。
今後は点滴の針を腕に残したまま、
通院しながら薬を腕から投与することになり退院してきました。
でも、夜中は熱が上がり、嘔吐。
下剤を入れるか悩んだけど、吐いたら少し楽な表情になっていたので、
そのまま寝て、僕だけ早朝起きてレッドクラスへ。
クラスを終え6時に帰宅すると
康平の熱は下がっていました。
カンファレンスの後、午後に病院で薬を投与し、
発熱から8日経ち点滴も3日目、
やっと前日より元気になってきて少し安心してきました。
今回は康平とケイコの病気のような軽い出来事を経験しながら、
いずれ必ず訪れる本当の試練に備えられる精神的な覚悟と準備をするきっかけになりました。
いよいよインド滞在も後10日。
康平とケイコが回復し、僕はこのまま最後まで元気に過ごせることを願います。
今日の康平。